全盲(重度視覚障害)とテキストデータ化

○ディスアビリティ

視覚情報を利用していないため、紙媒体の情報(講義で使用する教科書や配布される資料等)へのアクセスが難しい

○アセスメント

  • これまでの学習方法(点字・人による読み上げ・PC等の読み上げ)
  • 点字の習得レベル
  • 点字モバイル端末の使用経験
  • PCやモバイル端末の使用スキル(日常生活等でどの程度使用しているか)
  • 講義の実施形態(投影資料がメインか、板書が使用されるか、など)
  • 教科書や参考図書、配布資料の有無

○活用できるAT

下記のような流れに沿って、アクセシブルなデータを作成します。

データの加工フローを表す図。書籍やPDFからテキストデータを作成し、作成したテキストデータを音声読み上げや点字などの多様な形に変換するフローが示されている。

 

透明テキスト付きPDFからテキストを抽出し、テキストデータを作成する
OCRソフトを使って書籍など印刷された資料のテキストデータを作成する
スクリーンリーダーを使用してPCやモバイル端末でテキストを読み上げる
テキストデータを点字モバイル端末で読む
テキストデータを点字データに変換する
点字プリンターを使って点字データを点字で印刷する

○まとめ

  • 学生本人がこれまでどのような方法で学習してきたかを確認し、大学等でも同様の方法を用いることができるか検討する。一方で、高校等と比べて大学等の講義では、教科書の取り扱いが異なったり、講義資料の量も多くなるため、さまざまな出力方法(音声or点字)を経験しておくと良いだろう。
  • テキストデータの作成にあたっては、改行やページ番号、図表の取り扱い等について学生本人と確認を行っておくとよい。テキストデータの作成は国立国会図書館の「学術文献のテキストデータ製作の仕様書」等(https://www.ndl.go.jp/jp/library/supportvisual/supportvisual-02-02.html#a6)が参考になる。
  • レーズライターや立体プリンターを使って、触図を作成できると情報の幅が広がる。
  • リアルタイムの視覚情報も提供される場合、必要に応じて人的サポートの配置についても検討する。

公開日:2022年1月31日

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