社会移行

障害のある学生も就職活動は多くの学生と同じように行うことになりますが、障害の種類や程度によっては、何らかの支援が必要になる場合があります。一般的な就職活動の情報収集や相談は、キャリアサポートセンター・就職相談室を活用することができますが、それに加えてDRCでは障害に関連する相談・取り組み等を実施しています。

DRCでは、必要に応じて利用できる社会的な制度のアドバイスや外部の専門機関を紹介することも可能です。また、障害のある学生を対象としたインターンシップなどの紹介等も行っています。障害のある学生のキャリア支援は、個々のケースによって異なる部分が多くありますので、学生と相談しながら必要な支援を提供しています。

また、DRCでは大学での修学の延長に(または、修学を通じて)「社会への進出(社会移行)」があると位置づけており、就職活動を含めて様々な社会移行のためのプログラムを企画・提供しています。

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社会移行の全体像

社会移行に関する学内のセミナーやプログラム・リソース(学外機関や就労支援プログラム等)の関係性を表しています。各プログラムについては、次の項目からご確認ください。

障害ある学生の社会への移行に関するプログラムとリソース

就職関連情報に関する情報提供

DRCの掲示板等には、企業や就労支援機関の障害のある学生を対象とした様々な情報を掲示しています。また、DRCに利用登録をしている学生には、これらの情報をメールでもご案内しています。「就職のことを考えるのはまだ先の話」と思っている学生も、企業や社会の様子を知る機会として、また、就職活動に向けての準備の一つとして、早い段階からこれらの情報にふれる機会は有意義であると考えています。

掲示板のようす。たくさんのポスターやリーフレットが掲示されている。

就労支援セミナー

京都大学に在籍する発達障害・精神障害等またはその傾向のある学生を対象として、年に2回程度、「就労支援セミナー」を実施しています。学年を問わず学生はもちろん、保護者や関係教職員の参加も可能です。学外から支援機関の方を招いての講義に加え、直接相談ができる自由参加のセッションも設けており、「働くこと」や「社会への移行」を考えるきっかけになればと考えています。(なお、視覚障害・聴覚障害・肢体不自由等のある学生の場合は、同様の情報を個別相談等により提供しています。)

これまでに実施した「働くこと」をテーマにしたセミナー(例年7月頃に実施)では、今後の就労についてまずはイメージを持ってもらえるよう、一般的な就職活動や障害者雇用などについて基本的な情報の整理を行っています。また、「社会への移行」をテーマにしたセミナー(例年2月頃に実施)では、就労するという目標だけにとどまらず、幅広い意味での社会移行を見据えた内容で実施しています。具体的には、地域社会(私生活)で利用可能なリソースに関する情報を提供したり、卒業後すぐに就職するという選択肢だけでなく、就職までにもう少し準備期間を持ちたいと考えている学生に、大学を出た後にも相談先として利用できる「社会」の中のリソースについて紹介しています。

今後の実施日時や詳細は、DRCウェブサイトの「News (社会移行) 」欄でお知らせします。

セミナーのようす。「自分の取り扱い説明書」というスライドが掲げられている。

DEARセッション(Direct consultation with Employers And Resources

京都大学に在籍する障害のある学生を対象に、月に1回程度「DEARセッション」を実施しています。この取り組みにご賛同いただいた企業の人事担当者や地域の支援機関の支援者等に相談担当者として大学へお越しいただき、平日13時00分~16時15分の時間帯で1回につき45分×4セッション、最大4名の学生のための個別相談の枠を設けています(採用選考の機会を提供するものではありません)。新型コロナウイルスの影響により2020年度~2021年度はオンラインでも実施しました。

障害の状況や学年、目指している業種や進路を問わず、学生が大学にいながらにして「社会」の一端にふれることのできる貴重な機会になると考えています。また同時に、ご参加いただいた相談担当者からも、「障害のある学生と直に接する機会」として前向きなメッセ―ジをいただいています。

詳細はこちらの動画をご参照ください
DEARセッションについて(Vimeo)

実施日時や詳細は、DRCウェブサイトの「News (社会移行) 」欄でお知らせしています。また、当日の相談を円滑にするために、受付票(基本情報・相談内容)を用いており、必要に応じてその準備についてもサポートしています。

DEARセッションの流れ/対面形式

  • 12:30〜13:00 事前打ち合わせ
    • 相談担当者の動き
      • 相談会の流れを確認
      • 参加学生情報を確認

      ※可能な範囲で情報共有いたします

  • 13:00〜13:45 DEARセッション セッション①(45分)
    • 学生の動き
      • 前日までに予約
      • 指定期日までに「受付票」へ記入し、メールまたはDRC窓口に提出
      • 当日は相談ブースへ移動し、相談担当者に「受付票」を渡して相談開始
      • 相談終了後、DRCに戻って「受付票」提出、フォームによるアンケート回答
    • 相談担当者の動き
      • 学生の来室があるまで相談ブースにて待機
      • 学生から「受付票」を受け取り、相談対応開始
      • 相談対応終了後、「受付票」を学生に返却
      • 「相談対応記録」に記入
  • 13:50〜14:35 DEARセッション セッション②(45分)
  • 14:35〜14:45 休憩
  • 14:45〜15:30 DEARセッション セッション③(45分)
  • 15:35〜16:20 DEARセッション セッション④(45分)
  • 16:20〜17:00 フィードバック
    • 相談担当者の動き
      • 「相談対応記録」の提出
      • フォームによるアンケートの回答

DEARセッションの流れ/オンライン形式

  • 11:00〜11:30 事前打ち合わせ
    • 相談担当者の動き
      • 相談会の流れを確認
      • 参加学生情報を確認

      ※ビデオ会議システムを利用。可能な範囲で情報共有いたします

  • 13:00〜13:45 DEARセッション セッション①(30〜45分)
    • 学生の動き
      • 原則として前日までに予約
      • 「受付票」へ記入しメールで提出
      • 当日は時間になればビデオ会議システムにアクセス。支援ルームスタッフは両者を紹介して、退出する。
      • 「受付票」を用いて相談開始。
      • 30分経過後スタッフがアクセス。延長希望がなければ相談を終了する。
      • 相談終了後、フォームによるアンケート回答
    • 相談担当者の動き
      • 時間になり次第、ビデオ会議システムにアクセス
      • スタッフから紹介を受け、相談対応開始
      • 「相談対応記録」に記入、指定ストレージに提出
  • 13:50〜14:35 DEARセッション セッション②(30〜45分)
  • 14:35〜14:45 休憩
  • 14:45〜15:30 DEARセッション セッション③(30〜45分)
  • 15:35〜16:20 DEARセッション セッション④(30〜45分)
  • 16:20〜17:00 フィードバック
    • 相談担当者の動き
      • 「相談対応記録」を提出用ストレージに提出
      • フォームによるアンケート回答

DEARセッションの特徴と実施フロー

 DEARセッションの実施フローフライヤー画像
DEARセッションの特徴と実施フロー(PDF)ダウンロード

詳細は以下のDEARセッションガイドブックをご参照ください。
DEARセッションガイドブック(PDF)ダウンロード
DEARセッションガイドブック(txt版)ダウンロード

DEARサミット

本取り組みは障害のある学生に対して、企業の人事担当者及び障害のある社員との個別相談の機会を提供することにより、社会への進出・移行を考える機会を創出し、大学から社会へのシームレスな移行の促進を目指すものです。また、個別面談に先立って、社会・企業に関する理解を深め、大学側と企業側の障害者就職活動の準備性に関する認識を整理し、その後の個別面談がより充実した機会になることを目的とした取り組みをあわせて実施します。DEARサミットは、DEARセッションの拡大企画です。

これまでのDEARセッション・サミット協力企業・支援機関等一覧(50音順)※2022年3月現在

  • オムロングループ
  • 株式会社エンカレッジ
  • 株式会社神戸製鋼所
  • 株式会社JTB
  • 株式会社島津製作所
  • 株式会社デンソー
  • 株式会社堀場製作所
  • 株式会社りそな銀行
  • 住友商事マシネックス株式会社
  • 積水ハウス株式会社
  • ソニーグループ株式会社
  • 大和証券株式会社
  • 特例子会社(株)ツルミテクノロジーサービス
  • 任天堂株式会社
  • パナソニックホールディングス株式会社
  • P&G Japan
  • マリオクラブ株式会社
  • ヤフー株式会社

支援機関や公的機関との連携

相談内容に応じて、学外の支援機関や公的機関を紹介することもあります。支援機関や公的機関が提供する就職関連の企画や準備プログラム等についても、個々の学生の状況に合わせて随意ご案内しています。

また、個々の特性に応じた職業選択を検討するために2019年度には就労支援機関の協力のもと一般職業適性検査(GATB)を実施しました。

企業との連携

企業からインターンシップやその他就職関連の企画の案内をいただいたり、学生の実態に合わせて個別の企業との間でその内容をアレンジしたりすることもあります。また、京都大学では、一般社団法人企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)と連携し、ACEが企画する障害のある大学生を対象とした「ACEインターンシップ&キャリアセミナー」などの機会を活用して、学生に「体験」を通した学びや自己理解を促しています。

京都大学インターンシップ(2017、2018年度)

京都大学では、本学に在籍する障害のある学生を対象に、インターンシップ実習生の受け入れを実施しました。これは総務部人事課による「障害者雇用を想定した多様性ある人材のマネジメント体験」を目指した企画に対して、DRC(※当時・障害学生支援ルーム)が参加学生及び受け入れ部局へのフォローや支援ノウハウの提供といった面で協力したものです。人事課主導のため、学生の特性や希望によりマッチした実習先を、学内の数多くある部局の中から幅広く提供することができました。

DRCでは、インターンシップへの申し込み(「インターンシップ申込書」の作成や「配慮事項」の整理など)や面接について、障害のある学生からの相談に応じ、一緒に準備を進めていくことも可能です。実際にインターンシップに参加することになった場合には、必要に応じて実習先の見学や振り返りのサポートを行っています。

学内インターンシップに関する報告書2019年度(大江、村田)/ PDFダウンロード