京都大学バリアフリーフォーラム2022

京都大学バリアフリーフォーラム2022 開催概要

時計台の写真

更新情報:プログラム、実践・研究発表者、申込方法、審査委員会について情報を更新しました。(2022年10月3日)

【日時】

2022年11月12日(土曜日)10時00分~17時00分

午前の部:スポットライトセッション ※ホール企画
午後の部:オープンセッション ※ブース展示企画

【場所】

京都大学 百周年時計台記念館 百周年記念ホール・国際交流ホール
(京都市左京区吉田本町 京都大学 吉田キャンパス 本部構内)
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/facilities/campus/clocktower

【フォーラムの趣旨】

「学問の『危機』は、学問が生に対する意義を喪失したところにある。」今から80年以上も前、オーストリア出身の哲学者E.フッサールはこう述べました(『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』1936年)。不思議な言葉です。学問とは本来、私たちの生(命、生活、人生)から生まれ、私たちの生を豊かにするために生まれたもののはずです。しかしその学問が生から乖離し、生に対する関心を失っているというのです。
しかし、よく考えてみると、この言葉は現在にも通用するのではないでしょうか。確かに、私たちは科学・技術の急速な発展の恩恵に浴しています。しかし、一方で「数値化」「精密化」「実証主義」といった(実証科学特有の)考え方が社会に浸透し、「生産性」「効率」「競争」「費用対効果」といった言葉が普遍的な美徳とされて、私たちの「生きづらさ」を生み出しています。まさに学問と私たちの生が乖離しているのです。
少しここで立ち止まり、「生きづらさ」ではなく、「生きる喜び」「わくわくする思い」を与えてくれるような本来の学問について、考えてみませんか?
本フォーラムでは、学問を捉え直す切り口として、「障害」をとりあげます。「学問」と「障害」、あまり接点がないように思われそうですが、「学問」が私たちの生に直接関わっているのであるならば、「障害」というキーワードは「学問」の根底を掘り起こすきっかけを与えてくれるはずです。なぜなら、「障害」は「生きづらさ」や「生きる喜び」と分かち難く結びついているからです。「障害」を切り口にすることで、非障害者というマジョリティが築き上げてきた学問体系とはまったく異なる地平が拓けてくるはずです。
このような思いの下、本フォーラムのメインテーマを、「障害×学問」…学問を「障害」が引っ張っていく、としました。そこには「学問を崇高なものとしてでなく、身近なものとして捉えていきたい」という願いがあります。

【フォーラムの内容】

本フォーラムは、上記の趣旨に沿った実践や研究を募集し、それらを共有・交流することを目的として開催します。実践や研究の内容については、メインテーマ「障害×学問」に沿った内容であれば、分野を問いません。
皆さまから応募していただいた発表内容を、本フォーラムに設置した審査委員会にて10件程度を選定させていただき、フォーラム当日の午後に実施するオープンセッションにてブース展示等を行っていただきます。※当日の参加者は自由に各ブース展示にアクセスする形となります。
また、特にユニークな内容の発表(2〜3件程度)を選定して、フォーラム当日の午前に実施するスポットライトセッションにて発表を行っていただきます。その他、スポットライトセッションでは、実行委員会や審査委員会のメンバー数名により、本フォーラムの趣旨に沿ったトークセッションを実施します。
本フォーラムは、上記のようなプロセスにより構成される参加型のフォーラムとなります。また、フォーラム当日には参加者の皆さまとの交流やそこから新しいアイデアや関係性が生まれることを何より期待しています。

【プログラム(予定)】

9時30分~10時00分 受付(百周年時計台記念館1F 百周年記念ホール)
全体進行:村田淳(京都大学)

午前の部(スポットライトセッション)  百周年時計台記念館1F 百周年記念ホール
ナビゲーター:嶺重慎(京都大学)、熊谷晋一郎(東京大学)
10時00分~10時25分 オープニング
10時25分~12時00分 ブース概要紹介 ※途中休憩を挟みます
12時00分~12時30分 鼎談

12時30分~14時00分 お昼休み

午後の部(オープンセッション)百周年時計台記念館2F 国際交流ホール
14時00分~15時00分 オープンセッション前半
15時00分~15時30分 自由時間(休憩、ブース間交流)
15時30分~16時30分 オープンセッション後半
※参加者は自由に各ブース展示にアクセスする形となります。

16時40分~17時00分 クロージング(百周年時計台記念館1F 百周年記念ホール)

【実践・研究発表】

審査委員会により当日の発表者及びブース展示者は、以下のとおり選定されました。

・大学および大学院レベルの触覚・聴覚・視覚を同期させた理工系教材の開発

釜江常好(東京大学)、小出富夫(クリエートシステム開発株式会社)
スポットライトセッション、オープンセッション

・きこえんまあく(ヘルプマークの聴覚障害版)などの作成・配布について

近藤史一(放送大学)
スポットライトセッション、オープンセッション

・制度の狭間にいる難病者の現状の可視化と機会拡大の取り組み

重光喬之(東京大学)、福永圭佑、難病者の社会参加を考える研究会 運営メンバー
スポットライトセッション、オープンセッション

・意思決定を問い直す――障害者の自己決定を手がかりに

安井絢子(滋賀大学)、藤井克明(京都大学人間・環境学研究科)
スポットライトセッション(鼎談)、オープンセッション

・「場」としての授業へのアクセシビリティ―「アバター(分身)」による参加の可能性を探る

梶山玉香(同志社大学法学部)、阪田真己子(同志社大学文化情報学部)、河西 正博(同志社大学スポーツ健康科学部)
オープンセッション

・障害学生支援と災害等の緊急時対応に関するスタンダード~リッチ&ショートバージョンの作成とその周知~

佐藤剛介(久留米大学文学部・高知大学学生総合支援センター)、酒井春奈(立命館大学障害学生支援室)、竹田周平(福井工業大学 工学部建築土木工学科)、森脇愛子(青山学院大学 教育人間科学部心理学科)、東京大学 障害と高等教育に関するプラットフォーム PHED(事業代表者:近藤 武夫,事務局:松清あゆみ)
オープンセッション

・多様性文化センターの設立と社会貢献

ブックマン・マーク(東京大学国際高等研究所東京カレッジ)
オープンセッション

・KOBEしあわせの村ユニバーサルカレッジ

三木孝(公益財団法人こうべ市民福祉振興協会)
オープンセッション

・「障害」者のリアルを語り合う京大ゼミ

非公開

※順不同
※次の要項(要項ページ)に従い、発表者の募集を行いました。現在は募集を締め切っています。

【参加申込】

  • 事前申込制:申込みフォーム https://forms.gle/QWNzxQuvbKEsGoYx9
  • 定員200名(先着順)
  • 申込期間:10月3日(月)〜11月4日(金)
  • 参加費無料
  • 原則として参加資格等はありませんが、営利目的の方などはお断りすることがあります

【その他】

  • 午前のスポットライトセッションには、文字通訳・手話通訳があります。
  • 午後のオープンセッションには、参加者間のコミュニケーションをサポートするためのサポートスタッフを複数名配置します。
  • 参加にあたって必要な事項等がありましたら、参加申込時の専用フォームにてお知らせください。可能な範囲で対応を検討いたします。
  • パーソナルなアテンダント等は主催者側では配置できかねます。
  • 原則として自家用車でのご来場はできません。公共交通機関をご利用ください。
  • 宿泊先や食事等の手配や紹介は行っておりません。
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況によって、開催方法を変更する場合があります。

【主催】

京都大学 学生総合支援機構 障害学生支援部門(DRC)
https://www.assdr.kyoto-u.ac.jp/drc/

【共催】

京都大学 高等教育アクセシビリティプラットフォーム(HEAP)
https://www.assdr.kyoto-u.ac.jp/heap/
東京大学 インクルーシブ・アカデミア・プロジェクト
https://idl.tk.rcast.u-tokyo.ac.jp/
東京大学 障害と高等教育に関するプラットフォーム(PHED)
https://phed.jp

【実行委員会】

嶺重 慎(京都大学 理学研究科)※実行委員長
村田 淳(京都大学 DRC)※事務局長
塩瀬 隆之(京都大学 総合博物館)

【審査委員会】※50音順
綾屋紗月  (東京大学先端科学技術研究センター)
岩隈美穂  (京都大学医学研究科)
加藤完治  (株式会社GK設計)
上岡陽江  (ダルク女性ハウス)
熊谷晋一郎 (東京大学先端科学技術研究センター)※審査委員長
瀬戸山陽子 (東京医科大学教育IRセンター)
並木重宏  (東京大学先端科学技術研究センター)
松﨑丈   (宮城教育大学特別支援教育専攻)
嶺重慎   (京都大学理学研究科)※実行委員長
山根耕平  ((社福)浦河べてるの家)

【事務局】

京都大学 学生総合支援機構 障害学生支援部門(DRC)
電話:075-753-2317 E-mail:bf-forum@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
バリアフリーフォーラム担当


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