周囲の物音が大きい場合、話し手の音声の聞き取りが困難になる場合があります。このような場合、補聴援助システムを使用することで、話し手の声をマイクロホン付きの送信機から受信機へ送信し、聞こえを改善することができる可能性があります。また、ノイズキャンセリングヘッドフォンや講義室の音響機材を組み合わせることで周囲の物音を低減しながら話し手の音声に注意を向けることができます。今回は話し手の音声を選択的に聞くことができる補聴援助システムの活用についてご紹介します。
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一般的な補聴援助システムの活用方法
送信機から話し手の音声を集音し、聞き手は受信機から音声を聴取します。送信機は話し手が手に持つ他、ストラップを使って首から下げる、あるいは卓上に置いておくことができます。話しながら動く場合は首から下げて集音すると良いでしょう。
聞き手は耳かけタイプの受信機を使用する他に、イヤフォンを接続して使用する受信機も利用できます。好みに合わせて使い分けると良いでしょう。
ストラップを使用して送信機を首から下げる
耳かけタイプの受信機
イヤフォンを接続して使用する受信機
音響機器を活用した話し手(送信機)の工夫
補聴援助システムを講義室の音響機器と併用する際、ハンドマイクと補聴援助システムの送信機の2つを話し手が持つ必要があります。話し手が身につける機器が増えることで負担が生じることも考えられます。一方、講義室の音響機器から音声を出力し、補聴援助システムに入力することができれば、話し手が機器を複数持つことなく音声を受信機に届けることができます。音響機器によっては、音声出力(LINE OUT)や録音出力(REC OUT)といった出力端子があるので、そちらに送信機をつなげることで、ハンドマイクで集音した音声を受信機から聴取することができます。
付属のオーディオケーブルを使用すれば音響機器とも接続可能
ノイズキャンセリングヘッドフォンを活用した聞き手(受信機)の工夫
イヤフォンが接続できる受信機ではノイズキャンセリングヘッドフォン等の機器を有線で接続することができます。これによって物音を低減しながら、話し手の音声をクリアに聴取することができます。有線接続ができないヘッドフォンの場合は、耳掛け型の受信機を装着した上でヘッドフォンを着用すると良いでしょう。なお、ヘッドフォンによってはノイズキャンセリングの程度を調整できるものもあるため、補聴援助システムと併せてヘッドフォンもフィッティングするとより効果的です。
有線で接続されたノイズキャンセリングヘッドフォンと受信機
参考
ノイズキャンセリングイヤフォンや耳栓等を使用して周囲の物音(刺激)を小さくする
https://www.assdr.kyoto-u.ac.jp/heap/at-column/noise-canceling/
聞くことに課題のある学生を支援する機器
公開日:2023年10月6日
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