PDFファイルを音声読み上げ機能(スクリーンリーダー等)で使うとき、「読み上げてくれない」「入力欄の内容が飛ばされる」といったことはありませんか?その原因の一つが、「PDFがフラット化されていない」ことです。特にマークアップ・注釈・コメント・ハイライトなどがそのまま残っていると、読み上げ機能では正しく読み上げられないことがあります。今回は、PDFのフラット化とは何か、なぜ必要なのか、そしてiPad等で無料でフラット化する方法をご紹介します。
PDFの「フラット化」とは?
PDFのフラット化とは、PDF上の注釈やマークアップなどを、1つのレイヤーに統合し、編集できない状態にする処理のことです。音声読み上げ機能は、PDFの中にある「通常のテキスト」や「構造化されたタグ」しか読み上げできません。しかし、追記した注釈やマークアップはそれとは異なるレイヤーにあり、読み飛ばされることが多いです。そこで、マークアップで追記したテキストをフラット化することによって通常のテキストとして埋め込む事ができ、これにより、スクリーンリーダーや音声読み上げソフトが内容を正確に読み取れるようになります。
無料でできるフラット化の方法
Adobeウェブサイトからファイルをアップロードしてフラット化(圧縮)する
https://www.adobe.com/jp/acrobat/online/compress-pdf.html
上記、URLにアクセスし、PDFファイルをアップロードします。ファイルをアップロードしたあとに圧縮レベルを選択できるので、「高圧縮」を選択します。ただし、「高圧縮」を選択してフラット化した後でも、テキストボックスの位置を変更できるため、完全なフラット化ではありません。読み上げ機能で読み上げることはできますが、読み上げたいテキストはクリック等の追加操作をしなければならない場合があります。
iPad版アプリ「PDF Expert」(無料版)を使ってフラット化する
- PDFをPDF Expertで開く
- 右上の「…」をタップして「コピーを保存」を選択
- 「フラット化されたコピー」を選択する
- iPad内の任意の場所に保存する
この方法で、追記した注釈やマークアップがすべて統合されます。音声読み上げ対応のPDFに仕上げるには効果的な手段です。こちらはほとんど完全なフラット化になっているためMacの「ポインタを項目に重ねたら読み上げる」の機能を使うことができます。
まとめ
PDFファイルをフラット化することで、マークアップで追記したテキストを読み上げさせることができます。フラット化はアプリやWebサービスを使って簡単に行うことができます。ただし、テキストの位置によってはフラット化することにより、読み上げの順序が変わることがあるので、注意が必要です。もし、配布資料や教育コンテンツなどで「読み上げに対応したPDFを作りたい」と思ったときには、ぜひこのフラット化の方法を思い出してみてください。
公開日:2025年7月15日
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