マウス等の入力装置とソフトウェアキーボードを組み合わせたテキスト入力

上肢の麻痺等によって一般的なキーボードやマウスの使用が困難な場合でも、特殊なマウス等の入力装置とソフトウェアキーボードを組み合わせることでテキストを入力することができることがあります。今回はマウス等の特別な入力装置を使ったテキスト入力についてご紹介します。
なお、スイッチを使用したテキスト入力は以下の記事で紹介しています(https://www.assdr.kyoto-u.ac.jp/heap/at-column/switch/)。

Index


様々な入力装置の一例

スティックやトラックボールで操作する

スティックマウス

スティックを動かすことによってカーソルを操作することができます。指先や顎等の弱い力でレバーを動かせるものやレバーが大きくしっかりと握って操作できるものもあります。T字型やボール型などレバーの形状を変更することができ、より握りやすくすることも可能です。また本体にクリック等の操作が割り当てられるボタンが付属しているものや外部スイッチを接続できるものもあります。
レバーを操作することでカーソルを移動させ、ソフトウェアキーボードをクリックしてテキストを入力していきます。

ジョイスティックマウスの写真
ジョイスティックマウス

オプティマジョイスティックの写真
オプティマジョイスティック

ウルトラジョイスティックの写真
ウルトラジョイスティック

トラックボール

本体を動かさず、指先や手のひらでトラックボールを回転させることでカーソル操作を行います。操作に伴う腕の動きが小さく済むため、腕や肩の負担を軽減することができます。
テキスト入力はトラックボールを回転させることでカーソルを操作し、ソフトウェアキーボードをクリックして入力していきます。クリックはトラックボールに付属しているボタンを使用しても良いですし、別途にスイッチを接続することも考えられます。

エキスパートマウスの写真
エキスパートマウス

MX ERGOの写真
MX ERGO

体に装着して操作する

Zono

装着したZono本体の動きがカーソルの動きに変換され操作することができます。頭や手足など使用者が動かしやすい場所に装着し、使用します。付属の調整ツール(Windowsアプリ)を使用すれば不随意運動による震えの補正や動きの感度を調整することも可能です。クリック操作については、Zonoのオートクリック機能を使用する他に、外部スイッチの併用や後述するクリックアシストを使用する方法が考えられます。
テキスト入力はZono本体を動かすことによってカーソルを操作し、ソフトウェアキーボードをクリックして入力していきます。

Zonoの写真
Zono

視線で操作する

Tobii

視線の動きをTobiiが読み取ることでカーソルを操作します。頭部は動かさず眼球を動かして操作するため重度の麻痺がある場合でもPCを操作できる可能性があります。クリックはクリックしたいところにカーソルをホバリング(一定時間留める)ことでクリックされます。
ゲーム用や福祉用などの様々なモデルがあり、モデルによってはカーソルの操作に対応していないものもあるため、注意が必要です。
テキスト入力は視線を動かすことでカーソルを操作し、ソフトウェアキーボードのキーを注視することでクリックしていきます。

Tobiiの写真
Tobii Eye Tracker 5

入力を助けるアプリの一例

クリックアシスト

例えばZono単体では付属の調整ツールを使用すれば左クリックができますが、ダブルクリック等は使用できません。そこで、「クリックアシスト」というアプリを使用することでダブルクリックや右クリックが操作できるようになります。ウィンドウに並んだアイコンの上にカーソルを止めると各種機能が選択でき、任意の場所でカーソルを止めると発動します。
Windows標準のスクリーンキーボードに加え、クリックアシストの「かな50オン配列キーボード」も使用できます。もちろんZonoだけでなく各種マウス等の入力装置で使用できます。

https://ttools.co.jp/product/hand/clickassist/download.html

Windows視線制御

Windowsに標準搭載されている視線でPCを操作する機能です。ソフトウェアキーボードでのテキスト入力だけでなく、スクロールやクリックなどPCの基本的な操作ができます。ただ、サポートしている視線入力装置が限定的であるため、一部の視線入力装置(Tobii Eye Tracker 5等)は使用ができません。

https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/windows10-eye.aspx

見るマウス

「Tobii Eye Tracker 4C の視線追跡によるマウス制御アプリ」と書いてありますが、Tobii Eye Tracker 5にも対応しています。操作説明書のダウンロードも可能です。

https://millmouse.wordpress.com/2020/07/05/%E8%A6%8B%E3%82%8B%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%82%B9-ver-7-9-%E3%82%92%E5%85%AC%E9%96%8B%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/


公開日:2022年12月27日

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