これが僕
みんなと同じように
自分には自分が見えないことを知っている

一人でいる時も独りではない
声の遠近法で描く世界は
決して静止しない

指先で文字を探り
指先で改めて日本語を発見する
日々の物音に伴奏されながら

太陽が生んだ光が
はるばる瞼の上までやってくる
その温みが心に届く

人に触れる人を掴む
人にもたれる人を思い描く
人に頼る人から離れる

声で知る 声に和らぐ
声で伝える 声に驚く
一人でいても独りではない

01 |