【コラム】 修学上の困り事(ニーズ)を抱えた学生は、しばしば自分が置かれた状況に対してどのように対処したら良いのかわからなくなる場合があり、何とか解決しようと自分で調べたり、周囲の人や相談窓口などに相談して解決策を見つけたり、解決方法を模索します。 ただ、ようやく相談先が見つかったとしても、学生本人が修学上の困り事やどのように対応してほしいのかという意向について、状況や考えを整理して説明できないこともあります。 そのような場合、支援担当者と対話を重ねて、何が起きているのか、その要因への対処が個人で出来ることなのか、環境や周囲への働きかけがにあるのかなど、状況に応じてアセスメントが必要になる場合があります。 アセスメントのプロセス又は結果から、効果がありそうなリソースが見つかれば、試行錯誤しながら学生の本質的な意向や対策を見つけていきます。ただし、その調整のプロセスにおいては、支援担当者自身がどのような選択肢があり、どのような運用が可能になるのかを把握しておく必要があるでしょう。 本Tipsでは、精神障害や発達障害のある学生のディスアビリティに対するアセスメントや有効なアコモデーションを検討するための参考資料として 、HEAPと京都大学DRCが共同で作成した「精神障害や発達障害のある学生の修学支援アセスメント及びリソース集」を紹介します。 実際には、学生本人の意向や個別の環境によって有効な方法は異なるかと思いますが、それぞれのケースにおける検討の際に参考資料としてご活用ください。 <リソース集の使い方> 1. 縦軸は「試験」や「講義」など場面別になっています。このなかから確認したい場面を選択してください。 2. 選択した場面の中から学生の「困り事(ニーズ)」と近い項目を選択し、どのような「意向」があるのかを確認してください。 3. 「困り事(ニーズ)」の背景に何があるのかを「個人的要因」と「環境的要因」から「アセスメント」します。「困り事(ニーズ)」が個人と環境の相互作用で生じていることも多いため、判別が難しい場合もあるかもしれません。 4. 「アセスメント」と「意向」をふまえて、どのようなリソースが有効かを考えて試してみてください。 5. 効果が出ない場合はその要因を検討し、必要があれば他の方法も含めてお試しください。 ※ 上記のプロセスにおいては、学生本人と対話的に進めていただくことが大切です。仮に試してみた方法が自分自身やその環境において有効ではなかった場合でも、一緒に考えたり、振り返ったりするプロセスも大切な支援であるといえます。 なお、赤字のリソースについては、HEAPで公開している「Tips+動画」やAT(支援技術)に運用方法や説明が記載されております。関心のあるリソースが見つければリンクをご参照ください。