タイトル:音声認識システム ver.1.1 (2020.1) コピーライト:HEAP 技術の進歩に伴い、手軽に使える情報保障として、音声認識システムも選択肢の1つになってきました。現状では誤変換も多少生じますが、うまく活用することで使用の幅も広がる可能性があります。 本Tipsでは音声認識システムを有効に活用するために必要な準備を紹介します。 <準備物> 1)外部マイク/音響機器  タブレットの内蔵マイクは周囲の音も拾いやすいため、静音下で構造化された場面という限られた場面でしか活躍が期待できません。そのため、大学の講義を想定した場合、外部マイクはほぼ必須と考えてよいでしょう。  一方で、講義室に音響機材がある場合は、外部マイクよりも、既存の音響機材を活用するほうが効果的なケースも少なくありません。 Tips 音響機材との接続は、「音声出力端子」(Oudio out、Line out、REC、phone等)を探します。 2)オーディオ関係物品(インターフェイス・ケーブル・プラグ)  外部マイクを使う場合、Bluetooth対応のマイクならばタブレット端末と無線でつなぐこともできますが、Bluetooth機能がないマイクを使用する場合はオーディオインターフェイス・オーディオケーブル・変換プラグを駆使することとなります。オーディオ関係物品が最も複雑で失敗が多いです。というのも、オーディオ端子の種類は本当にさまざまでタブレット端末の組み合わせで音が入るものとそうでないものがあるようです。 3)タブレット端末  極端に古いモデル(OS)でない限り、基本的にどれでも運用可能です。画面の大きさを確認するとよいと思います。また、使用予定の音声認識ソフトがアプリストアにあるか確認が必要です。音声認識ソフトによって、仕様や特徴が異なります。 <Tips> Android端末でBluetoothマイクを使用する場合は、プロファイルをHSP/HFPに切り替えるアプリを利用します。 4)インターネット環境  学内のインターネットが脆弱な場合は音声認識システムが処理できなくなる可能性があります(講義時間は多くの学生がアクセスして極端に速度が遅くなる等)。使用予定の時間に学内のインターネット状況を確認してみるとよいでしょう。脆弱性への対応や学外実習で使用する場合はポケットWi-Fiがあれば便利です。 <構築事例>※ケーブルやプラグの種類は組み合わせによって異なります 1)外部マイクを使用する 音の流れ:外部マイク→レシーバー→インターフェイス→タブレット 2)講義室内の音響設備を使用する 音の流れ: マイク→ミキサー→インターフェイス→タブレット ※ミキサーからスピーカーの流れと平行する <よくある問い合わせ> Q.音声認識を導入することで合理的配慮(情報保障)提供の義務は果たしたと言えるでしょうか? A.コストが低いことはあくまで利用学生にとってのメリットです。音声認識の文字情報の“読みやすさ”に関してさまざまな議論があることも事実です。大学等の都合で方法を固定化しないようにしましょう。 その他『HEAP 相談事業Q&A集【35】』に関連事項あり